先日、小田原に行ってきました。目的は二宮金次郎(二宮尊徳)翁の生まれ故郷を訪ね、その思想に触れ、その足跡の一部を垣間見ることにありました。
昔小学校の校庭に、薪を背負い、歩きながら本を読み勉強している銅像がありましたが、何をした人物か全く説明はありませんでした。せいぜい、「今の世の中、こんなことしたら交通事故にあうからダメですよ」っていう先生の注意のネタに使われたぐらいでした。
最近、ある勉強会でその語録を学ぶ機会があり、その生涯を知り、この小田原の旅が実現しました。
とにかく凄い人であったのは間違いありません。
まず、二宮金次郎翁の体格に驚きです。身長は180cm以上、体重も90s以上の大男であったようです。
そして只の農民ではなく、松下幸之助翁や稲盛和夫塾長に匹敵するような実業家でありました。信用組合の元祖的な組織を作り上げ、非常に大きな金額のお金を動かし、荒廃した村々を建て直し、土木工事を行いました。その業績は末期の江戸幕府にも伝わり、幕府直轄のプロジェクトにも関わりました。
さらにその凄さは、決して私欲を肥すことが無かったことです。亡くなった後、田んぼ一反もなく、お金も全く子孫に残しませんでした。全て社会のために費やしました。
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戦前、二宮金次郎の例の銅像が学校に建てられたのは、国家の指示ではなかったのです。二宮金次郎の徳を偲んだ民間人の寄付で始まり、それが一種の流行となって全国に広まった現象だったそうです。
戦後、二宮金次郎の思想や実績は、誤って軍国主義の一部のように捉われ、日教組の目の敵になってしまいました。非常に残念なことです。
私たち、日本人は今こそ二宮金次郎に学び、世界に新しい経済システム、エゴで動くのではなく、心で動く経済システムを拡げる義務があるように思えてなりません。
